隠れブラック企業記事イメージ今年、平成28年9月29日に過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」が『和食さと』を展開するサトレストランシステムズ株式会社および同社店長4名並びに同社事業推進部部長1名を労働基準法違反の疑いで大阪地方検察庁に書類送検しました。

その舞台裏を11月1日の朝、NHKのニュース内で『“隠れブラック企業”明らかになる実態』というテーマで報道していましたね。ご覧になった方もおられると思います。

“かとく”はサトレストランシステムズ(株)を含めて他にも企業を摘発していますが、そこから見えてきたものは過重労働が隠れてしまっている企業が少なくないという実態です。

サトレストランシステムズ(株)に関してどのような実態があったのか載せておきます。内容はニュースからの抜粋となります。

事件の経緯

同社は『和食さと』を全国で約400店舗を展開し海外にも進出している企業ですが、平成20年4月から平成27年11月までの間にわたり長時間労働や残業代の未払いで全国の労働基準監督署から指導を18回も繰り返し受けてきました。

そこで会社として全社を挙げての時短の推進や7連休の取得推進、労使間での話し合いの場を設けるなど働きやすい環境の整備を進めてきております。会社のホームページでも社長の重里欣孝氏自ら環境整備の大切さを次のように訴えています。

「業態もしっかりし安全の問題もきちんとし、そして労務環境もきちんと整える。これら3つが揃わないとこれからの会社は存続できないし成長しない」

しかし、“かとく”は度重なる指導にも関わらずいっこうに改善が見られないとして強制捜査に踏み切りました。

“かとく”の捜査とは、どのような内容だったのか。

全国の従業員およそ1万人分の勤務記録を押収。監督官が専従で1枚1枚書類を調べ上げていくことをします。

丹念に記録を洗い出すなかである従業員の勤務記録に目をつけます。

勤務記録では、この従業員は毎日昼の12時に出勤して、決まって22時前後に退勤していることになっていました。残業時間は労使間で決められた協定の残業時間である40時間以内だったのです。

レジのイメージ画像そこで“かとく”が着目したのがレジの記録。

レジには誰がいつ作業をしたのか記録が残っているのです。

その内容と勤務記録の矛盾があらわれてきました。
退勤の時間とレジを最後に打った時間に食い違いがあったり、休日のはずの日にレジの記録があったりといった内容です。

この他、従業員のICカード乗車券や店舗の施錠記録などあらゆる従業員の行動を徹底的に確認し、不自然な勤務を暴き出していったわけです。その結果、過重労働が隠ぺいされている可能性が明らかになったのです。

“かとく”の塩尻 公氏によると「実態では長いんだろうけど、それを短くしようということで、例えば(勤務を)改ざんするとか、終業時刻を早めてしまうとか、記録を直すということもあります。」と話します。

この会社の場合、実際に残業申請書類に手を加えていました。

店長は店舗ごとの勤務の管理を任されています。ある店長が本社に報告した従業員の残業時間の記録をいじった痕跡や手書きで時間調整をはかったメモなどが出てきたのです。

“かとく”の堀 幸男氏は「店長が改ざんしているであろうと思われるもの、もしくは店長の指示によって調整されているであろうと思われるものが出てくる」と言います。

なぜ、会社が労働環境の改善を掲げる中で現場が勤務記録を改ざんしたのか?

原因は店舗で進んでいる人手不足。

そんな現場で働いていた元従業員によると、かつて残業代がきちんと払われておらずそれを店長に尋ねた際に「恨むなら会社ではなく店長個人を恨め」のような趣旨のことを話され、自分以上に働く店長の言葉を聞いた彼は勤務に手を加えられることも受け入れざるを得なくなっていったと打ち明けています。

会社が掲げる理念と減らない仕事量のはざまで過重労働の実態が隠れてしまっていたという現状が浮かび上がります。

同じく元従業員は次のように付け加えます。「通達とかで“勤務時間を短縮しましょう”みたいなものは発行されていますけど、正直そんなのわかっているんですよね。社員も。結果として、店が回ってなかったりするので、どれだけ良いことを(会社は)言っていても見えていないのかなと。ひたすらにしんどかったです」。

 

今回の顛末

会社はこの件に関して、勤務の実態を適切に把握できていなかったことを認め、このような事態が二度と起きないように再発防止を徹底していきたいとコメントしています。

また強制捜査をうけて、
〇未払い分の残業代の支払い
〇労務管理体制の変更
〇業務の削減
などに取り組んでいます。

“かとく”は今後も改善策が浸透しているかどうか、報告書の提出を求めるなどして調査を続けていくことになっています。

残業禁止のイメージ画像

【まとめ】

“かとく”は経営陣による労務管理が現場の店長や従業員にまで行き届かなかったことが過重労働が隠れる実態を招いたと指摘。

「今回なかを見させてもらったら、いろいろ問題があることが分かりました。
労働時間を正確に把握して、働きやすい会社になってもらえればいいなと思います。」と“かとく”の前村 充主査は話していました。

働き方改革の機運が高まる今こそ、経営と現場が一体となって具体的な対策を打ち出すべく努める姿勢が求められます。

と番組は結んでいますが、果たして私もさまざまな企業と接していて経営と現場の乖離が気になっています。企業の風土を変えるには経営者の本気度が試されるのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

ながまつ
ながまつ
「頭は低く、目は高く、口を慎んで心広く、孝を原点として他を益す」

働く人の良知に基づく本質的な職場環境改善によって生産性の向上と事業の発展に貢献することを使命といたします。従業員を本気で幸せにしたいと願う経営者様は是非、お気軽にご連絡下さい。⇒メール相談承ります。