ギグとは、かつてジャズ演奏家の間で一回一回の契約に基づいて行なう単発のライブ演奏などの仕事ことを意味していた。それが転じて、今日では職種を問わず日雇いや単発といった一回一回で就業形態の広がりを称し「ギグ・エコノミー」と呼ばれるようになっている。

IT技術の進化によりネット上で仕事の受発注が完結するプラットフォームが充実してきた。それは個人が自身の特技や資産を活かし仕事を請け負う環境が整ってきたことを意味する。

ギグエコノミー記事イメージ画像従来の雇用形態にとらわれない働き方の多様性の広がりは、我々の就労機会を増やす動きとして歓迎。しかし、一方で働く人の生活が不安定になる恐れも危惧されている。

仕事の発注者と受注者が合意の下で取り交わす自由な契約が基本となる。そのため自由競争の下では、能力があり名が知られている者には仕事が集中し、そうでない者は仕事を得るためにダンピング合戦を繰り広げるとも限らないのだ。

著しく低い代金で仕事を受注することを禁じた下請法は、こうした個人も保護対象の下請け業者に含まれる。受発注両者の間には雇用関係は存在しない。そのため最低賃金も適用されない。

スマホによる配車サービスを手掛けるウーバー。運転する者は従業員ではなく個人事業主という形だが、専らウーバーによる収入で生計を立てる者にとっては会社側から示される条件は死活に関わる。そこで最近では運転者に対する待遇の改善を求める声が強くなってきているという。

またクラウドソーシングを利用して個人で仕事を受けている者が病気やケガなどで働けなくなることは収入に直結する。クラウドワークスは収入が途絶えた時に給付が受けられる就業不能保険に働く人が加入しやすいよう費用の負担を検討している。

自由競争の下で新たな弱者が生み出されることは経済の発展を阻害する要因となりうる。新形態の就業が個人の収入を増やしデフレ懸念からの脱却をはかる起爆剤となれるのかどうかが試される。

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ながまつ
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「頭は低く、目は高く、口を慎んで心広く、孝を原点として他を益す」

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